電王戦を振り返って
将棋の棋力はほぼ初心者と同レベルの俺だが、
電王戦をガッツリ観戦して思ったことを書いてみる。
結果について
とりあえず結果は以下となっている。(◯:勝ち、●:負け)
第一回: ●米長邦雄永世棋聖 VS ボンクラーズ○
第二回: ●プロ棋士(1勝) VS コンピュータ(3勝)◯
第三回: ●プロ棋士(1勝) VS コンピュータ(4勝)◯
第四回: ◯プロ棋士(3勝) VS コンピュータ(2勝)●
この他、電王戦とは別に、
◯渡辺明竜王(当時) VS Bonanza●
という対局もあった。
上記の結果について、個人的には納得の結果だと思う。
つまり、「コンピュータの方が強い」ということ。
人間の敗因
諸説あるが、やはり「人間はミスをする」ということが一番大きいだろう。
また、人間はコンピュータの思考を理解仕切れていない、ということも一つあると思う。
逆に考えると、ミスをしなければ、人間が勝つ可能性は多分にあるのではないか?
現に豊島将之七段は、ほぼ早指しで勝負してはいるものの圧勝している。
永瀬拓矢六段については、ソフトの欠陥を指摘しているが、最後の寄せ・詰みまでを読んでいたらしい。
以上から、実は実力的には大差はないのではないか?という疑問が出てくる。
※あくまで「プロ棋士」とコンピュータについて!
ソフトの問題点
これも電王戦で何点か浮上してきた。
- 不成り問題
- 2七角問題
以上二点が記憶に新しく、かつソフトの思考の根本に関わるものだと思う。
1つ目は原因がはっきりしているので、「不成り」の場合の処理を入れれば、
対応されると思う。(ただし、その処理により計算量が増えるらしい)
2つ目は、はっきりと原因は分かっていないんじゃないかな?
(もしかした既に解明されているかも)
この問題は、コンピュータの思考を分析する価値が大いにある、という観点から、
とても興味深い問題点だ。
これにより、もしかしたら今まで人間が考えていない新たな手が発見される可能性、 今まで人間が良い、と考えていた手が実は悪かった、ということが分かるかもしれない。
両者の強さ
人間の強さ:
- 手を生み出せる
- 序盤に駆け引きができる
- 直感により早指しができる
→ 一言で言うと「創造性」がある。
コンピュータの強さ:
- ミスをしない(バグがない前提)
- 疲れない
- 今までの全棋譜を覚えられる
以上、自分の考える両者の強み。
今後の歩み
将棋ソフトの進化により、いつか完全に人間より強くなる時が来る、とは思わない。
なぜなら、将棋は半永久に続けられるゲームだから。
しかし、人間に勝つソフトはどんどん増えていくとは思う。
また、人間はこれからはコンピュータに学ぶ事も増えていく事だろう。
既にプロ棋士でも、勉強する際にコンピュータを用いている方が何人もいる。
人間が強くなるために、コンピュータの存在はますます大きくなっていく事は間違いない。
コンピュータ将棋がこれからも進化し続け、その技術がAIに応用されれば、
人類の技術のさらなる進歩にも貢献する事になる。
またそう願うばかりである。